魔女プロジェクト

横山ゼミ11期生★魔女プロジェクト2025総括「介護イノベーションプロジェクト班」

2026.08.08(Sat)

私たちは、関西大学商学部 横山ゼミに所属する学生4名(恩田柚葉・岡田崇佑・本田貴人・磯崎こころ)で構成された「介護イノベーションプロジェクト」です。

 

1. はじめに

「介護をもっと身近に。」その想いが、ケアフルエンサーズへつながるまで

本プロジェクトでは、「介護のイメージを変え、若者が介護をより身近に感じられる社会をつくる」ことを目標に掲げ、株式会社 明成孝橋美術 代表取締役 孝橋悦逹様、株式会社エナジィスト 代表取締役・株式会社ビオネスト 組織開発室長 田中浩敬様と協働しながら、約1年間にわたり活動を行いました。

介護は、誰もが人生のどこかで関わる可能性があるにもかかわらず、若い世代にとっては「自分とはまだ遠い存在」と感じられることが少なくありません。だからこそ私たちは、学生だからこそ持てる視点と行動力を生かし、介護施設や企業、地域の方々とともに、「介護をもっと身近に感じてもらうためには何ができるのか」を考え続けてきました。

この1年間は、介護について学ぶだけでなく、現場へ足を運び、多くの人と出会い、挑戦と試行錯誤を繰り返した時間でした。そして、その経験は新たな学生団体「ケアフルエンサーズ」の結成へとつながりました。以下では、活動全体のスケジュールおよび各プロジェクトの進捗内容について報告いたします。

写真①:チーム写真(関西大学 横山ゼミ 介護イノベーションプロジェクトメンバー)

 

2. 活動全体のスケジュール

 

3. 活動の背景 – 現場を知らなければ、本当の課題は見えてこない

活動を始めた当初、私たちは「介護の魅力を発信したい」という想いを持っていました。しかし、「何を伝えれば介護の魅力が伝わるのか」「学生だからこそできることは何なのか」という問いに対して、明確な答えを持っていたわけではありません。

そこで私たちが最初に選んだのは、「まずは現場へ行くこと」でした。介護施設を訪問し、職員の方々や利用者の皆様と対話を重ねる中で、ニュースやSNSだけでは分からない介護現場の姿を知ることができました。

介護には確かに課題があります。しかし、それ以上に、利用者の方々の笑顔や、職員の皆様が一人ひとりに寄り添う姿、人と人とのつながりが生まれる温かな空間がありました。この経験を通して私たちは、「介護の魅力は説明するものではなく、実際に体験し、感じてもらうものなのではないか」と考えるようになりました。

 

4. 懐ふだプロジェクト(施設交流企画)

現場で得た気づきをもとに、私たちは学生ならではの発想を活かしながら、さまざまな企画を実践しました。介護施設では、「懐話ふだ」を活用した交流企画を実施しました。

利用者の皆様との会話を通して、一人ひとりの人生や思い出に触れ、単なるレクリエーションではなく、「人と人とのつながり」を生み出す時間づくりを大切にしました。

写真②:施設訪問・懐話ふだ

 

5. 商品開発プロジェクト(懐人コレクション/いきいき哲学すごろく)

施設利用者向け商品の開発にも挑戦しました。「懐人コレクション」では、介護施設で過ごす時間が少しでも豊かになるよう、利用者目線に立った商品づくりを進めました。

さらに、デイサービス向けレクリエーショングッズ「いきいき哲学すごろく」を開発しました。学生が考える「楽しい」と、高齢者の方々が本当に楽しめるものには違いがあります。実際に現場で試行錯誤を繰り返す中で、多くの学びを得ることができました。

 

6. 企業・地域連携プロジェクト(QUINTBRIDGE/シェアフル)

活動は施設内だけにとどまりません。NTT西日本本社 QUINTBRIDGEでは、「『介護現場への越境』を通じた、大学生と社会人の課題解決ミートアップ」を開催しました。

学生と社会人が立場を越えて介護について議論することで、新たな視点やアイデアが生まれ、介護を社会全体で考えるきっかけとなりました。

さらに、スポットワークサービスを展開するシェアフル株式会社と連携し、「介護現場就業モデル」のプレスリリースにも携わりました。介護を「知る」だけでなく、「まずは現場へ行ってみる」という新たな入口を提案する取り組みとして、大きな一歩となりました。

写真③:「介護現場への越境」大学生と社会人の課題解決ミートアップ(QUINTBRIDGE)

 

7. 活動の成果

一年間の活動を通して、私たちは学生という立場だからこそ実現できる挑戦を数多く経験しました。

特に印象的だったのは、「オランダ×日本 介護イノベーション共創ワークショップ」への学生代表参加です。海外の介護に対する考え方や先進的な取り組みに触れたことで、日本の介護をより広い視点から考える機会となりました。

また、大阪ヘルスケアビジネスコンテスト2025ではファイナリストに選出され、私たちの活動や提案を多くの方々に知っていただく機会となりました。

さらに、介護施設でのヒアリングや「懐話ふだ」を活用した交流企画、SNSを通じた情報発信などを継続し、介護を身近に感じてもらうための発信を積み重ねてきました。これらの活動は、一つひとつが独立したものではなく、「介護をもっと身近に」という共通の想いのもとにつながっています。

写真④:大阪ヘルスケアビジネスコンテスト

 

8. 全体を通して ― 活動を通して学んだこと

この一年間で私たちが最も大切だと感じたことは、「まず行動してみること」です。介護施設へ足を運び、利用者の皆様と交流し、イベントを企画・運営し、企業や社会人の方々と議論を重ねる中で、机上では得られない多くの気づきを得ることができました。

一方で、活動を振り返ると、事前のリサーチや仮説設計、振り返りの深さなど、多くの課題も見えてきました。ただ行動するだけではなく、「なぜうまくいったのか」「次はどう改善するのか」を言語化することの大切さを実感しました。

また、多様な立場の方々との対話を重ねることで、異なる価値観を尊重しながら一つの目標に向かって進むことの難しさと面白さを学びました。この経験は、介護について学んだだけではなく、自分たち自身の成長にもつながる大きな財産となりました。

 

9. 今後の展望 ― ケアフルエンサーズへ

写真⑤:ケアフルエンサーズ メンバー・関係者の皆様と

2025年度の活動を通して、私たち4人には共通した想いが生まれました。「この経験を、もっと多くの学生に届けたい。」

介護について知ること、現場へ行くこと、人と対話すること。それらの経験を通して、自分たちの価値観が変わっていく感覚を、私たちだけのものにしておくのはもったいないと感じるようになりました。そこで2026年度、新たな学生団体「ケアフルエンサーズ」を結成しました。

現在では、私たち4名に加え23名の学生が活動に参加し、それぞれの視点を活かしながら介護施設との新たな接点づくりに取り組んでいます。2026年8月・9月には、学生が企画・運営するオリジナルレクリエーションを介護施設で実施する予定です。

介護施設で過ごす時間をより豊かにし、学生ならではの自由な発想を活かした新しい価値を提案していきます。今後も、「介護は自分とは遠い存在」というイメージを少しずつ変え、若者が介護をより身近に感じられる社会の実現を目指して、挑戦を続けていきます。

 

10. 最後に

本活動にご協力いただいた株式会社 明成孝橋美術 代表取締役 孝橋悦逹様、株式会社エナジィスト 代表取締役・株式会社ビオネスト 組織開発室長 田中浩敬様をはじめ、介護施設職員の皆様、利用者の皆様、そして活動を支えてくださったすべての皆様に、心より感謝申し上げます。

2025年度の介護イノベーションプロジェクトは、私たちにとって「介護を学ぶ一年」ではなく、「介護を通して人とつながり、社会と向き合い、自分たちの可能性を広げた一年」でした。この経験を原点として、これからはケアフルエンサーズとして、より多くの学生とともに介護の魅力を発信し、新たな価値を創造し続けていきます。

 

(文責:関西大学商学部 横山ゼミ11期生・介護イノベーションプロジェクト班)

 

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