第12回産学連携かちぞうゼミ中間報告会が開催されました。<2026年10月18日(日)>
2026.11.01(Sun)
進化しつつある「かちぞうゼミ」
10月18日(日)午後から夕刻まで、関西大学梅田キャンパスを会場にして恒例の産学連携かちぞうゼミ中間報告会が開催されました。参加した3大学5ゼミの10チームは、パートナー企業として協力頂いている10社からのお題を深掘りしながら、学生らしい課題解決策の提案を限られた時間の中でコンパクトにプレゼンすることが求められています。中間報告会までは、他大学のゼミやチームの活動状況を共有することもなく、今回初めて他のチームのプレゼンを聞くことになり、チームによっては少しばかりの安堵感を感じたり大いなる危機感を感じたり軌道修正を迫られる場面もありました。さらに土壇場に追い込まれて本気でもう一歩前に進むことを余儀なくされるチームもありました。
しかし見方を変えれば、こうした節目での生煮え状態のプレゼンに対する厳しいフィードバックこそが次のステップに繋がるだろうし、各チームの課題解決活動を軌道修正するチャンスと捉えることもできます。最終報告会までの残り2ヶ月で大化けするゼミチームがたくさん現れることを期待しています。もちろんこれまで順調に活動を進めていることがプレゼンから伺えるチームは、さらに高みを目指して悔いなき活動で終了できるようにもうひと頑張りください。
中間報告会の具体的内容に入る前に、ここ数年とみに感じるかちぞうゼミの顕著な進化の一端を記しておきます。まず一番に感じることは、各チームのプレゼン終了後の学生同士の質疑応答が非常に活性化している点です。お通夜状態のなか、司会者がやむにやまれず会場の質問者を指名することをしなくても、プレゼン後に会場から矢継ぎ早に質問の手が上がるという光景は近年特に顕著になっていると感じます。それにつられてか、教員や事業者からも的をついたコメントや助言が多く寄せられていました。そうした質問やコメントを熱心にメモしている学生も数多く見受けられました。
もう一つ、学生による学生のためのかちぞうゼミが定着しつつあることも嬉しいことです。受付での対応、司会進行、会場での照明操作、写真撮影、パソコンやプレゼン準備など、教員の手を煩わすことなくゼミ生(かちぞうゼミを卒業した関西大学横山ゼミ生)が全て仕切ってくれていることも有り難いことです。こういう良き伝統は、今後も継続してもらいたいと思っています。
各チームのプレゼン内容と感想
以下は、各チームのプレゼン内容についてひとくちコメントです。
① 玉井ゼミA×(一社)日本IKIGAIデザイン協会[テーマ:IKIGAIを中心にしてまだ見ぬ社会構造にアクセスする]は、周りの基準に惑わされずに自分ならではの基準をもとに一人一人のいきがいが輝く世界をバーチャルゲームを通じて実現するというアイデアを提案している。そのために学祭プロモーション、生きがい音頭、生きがい万博などが提案されているが、ターゲット層の明確化、実現性、持続可能性などをさらに考えてほしいという意見が出された。
② 横山ゼミB×感動会社楽通株式会社[テーマ:コミュニケーションを大事にするガチャガチャの中身を考えよう]は、岡町桜塚商店街をターゲットに体験型商店街づくりのアイデアを提案した。いわゆるモノのガチャガチャからコトのガチャガチャへのシフトである。そして介護問題についても楽しく取り組む仕組み作りについても提案している。ストーリー展開が明確で聞き手を上手に誘い込むようなプレゼンが印象的であった。
③ 西釜ゼミA×株式会社ノーベル[テーマ:ドーピングせずに企業の魅力を伝えるために]は、関西最大の人事交流会の仕組みを参考にしながら、採用側の企業のPRの場で終わらずに、企業と学生それぞれの本音を引き出す場として和歌山の就職って委員会というイベントを提案している。本音で対話できる環境をどのようにデザインしてどのように運営して結果として何が生まれたかをさらに深掘りしてほしい。
④ 金ゼミB×世界に「0」をONする株式会社[テーマ:社会にツッコミを入れよう!そしてエフクチュエーシュンを重視したソーシャルビジネス]は、高齢者の日常にちょっとした楽しみを付け加えるために高齢者向けアプリ「毎日クエスト」の開発を提案している。今後はターゲット層としての高齢者への徹底したインタビューや分析を通じて、高齢者向けアプリのコンテンツを精緻化することが求められている。
⑤ 森口ゼミA×株式会社明成孝橋美術[テーマ:社会課題の解決(悩み事の解決)を通じてありがとうの循環を枠にはまることなく進めたい]は、自閉症スペクトラムなど自分の意見を上手く他人に伝えることに悩んでいる人をターゲットに、参加しやすくて安心して話すことができて人に興味を抱くことを促すような自立ジェンガゲームを構想している。まだアイデア段階であり、今後どれだけ社会実装化を進めることができるかがポイントになる。
⑥ 玉井ゼミB×しんら株式会社[テーマ:ゼロマッチング構築プロジェクト]は、産学協働でリトリート&マッチングイベントを共同開発しようと動いている。志でつながる就活を合言葉に、知る→考える→出会うというサイクルを回していくプロジェクトであるが、志をどのように言語化していくかを更に検討してほしい。
⑦ 西釜ゼミB×マインドフリー株式会社[テーマ:デジタルマーケティングからアイドルビジネスにチャレンジ]は、SNSによるアイドルのファン化を進めるというプロジェクトを報告してくれた。人の気持ちを前向きにするのがアイドルという前提のもと、アイドル6名グループのライブについてSNSを通じて後方支援してきた。ライブ当日は定員を満たすだけの集客にもつながっている。こうした学生ならではの活動をどのように分析するかが問われている。
⑧ 横山ゼミA×みずほメンテナンス[テーマ:カーテンの物理的価値を超えた心理的価値の探求]は、余剰在庫のカーテンを活用し、協働相手の小学校を会場にしながら第1回ワークショップを開催した経緯が説明された。子供100当番のような駆け込みやすい環境づくりを考えながら、開催に至るまでには、班分けを工夫し全員参加で相互に認め合うような仕組みを工夫している。事後のフィードバックも既に考慮されており、それをもとに第2回ワークショップが構想されている。プレゼンも秀逸であり、ワークショップ開催により何がどのように変化したのかを更に検討してほしい。
⑨ 森口ゼミB×株式会社グランディーユ[テーマ:学生が利用したくなる学内カフェの提案]は、桃山学院大学内のサロンドイリゼという食堂の活性化策としてSNS発信、オンライン予約、などを工夫してきた経緯を報告した。まだまだ途中経過の報告に終わっていて、プレゼンの工夫を含めて全員参加のプレゼンにまで発展させてほしい。
⑩ 金ゼミA×株式会社TRUST Relation[テーマ:寺子屋運営を試行しながら勉強から学びへの転換を応援したい]は、ターゲットを寺子屋から商店街に変更し、40歳代の来場者中心の商店街から子供たちに愛される商店街へのシフトを構想している。そして単発的イベント開催を超えて商店街リアルRPG開発を目指している。機動性があり、アイデアを実際に実現しようとする行動力があるので、さらに高みを目指して活動してほしい。
最終報告会に向けた提案
最終報告会の場で悔いのないプレゼンにより充実感や達成感を味わうためには、各ゼミのチームがもう一度原点に戻って何が足りないのか、何をすればいいのか、どこまで実現できるのか、などのロードマップを検討することが不可欠です。そのためのヒントを記しておきます。まず一番に、何が社会課題でどのように解決したいかについてチームの全員が共通理解をもつことが不可欠です。特定のメンバーだけの理解に終わっていると、最終報告会でも特定のメンバーによるプレゼンになってしまいます。時間はかかるかもしれませんが、全員の共通理解や共通認識というポイントは忘れないように絶えず意識しましょう。
第2は、メリハリのついた分かりやすいプレゼンを心がけてください。そのためには、自分達グループが一番主張したいことが分かっている必要があるし、全体としてのストーリーが聞き手に分かる必要があります。「結局何が言いたかったのですか?」とか「一番のポイントは何ですか?」という質問が出ることのないようにチームで行動してください。
これから最終報告会までの2ヶ月で各グループの達成度合が大きく変化します。努力は決して裏切りません。
