かちぞう企画

第11回かちぞうゼミ最終報告会が開催されました!!!<2025年12月7日(日)>

2025.12.14(Sun)

第11回かちぞうゼミ最終報告会が開催されました!!!<2025年12月7日(日)>

2025年12月7日(日)関西大学梅田キャンパス8階ホールを会場にして、第11回産学連携かちぞうゼミが開催されました。

当日は、京都産業大学柴野ゼミと森口ゼミ、近畿大学金ゼミ、そして関西大学横山ゼミの学生8チームが、協力企業8社から提示された課題の解決策について半年間にわたり活動してきた成果をプレゼンしてくれました。
当日のスケジュールは以下の通りです。

10分という限られた報告時間の中で半年間の課題解決活動を凝縮して報告するためには、それなりの事前準備と心構えが必要ですが、8チームのプレゼンは甲乙つけがたい程に完成されていたように感じます。
また他のチームからの質問や審査委員からのコメントに対しても的確な返答がされていました。

当日の審査は、大阪大学名誉教授金井一賴審査委員長を筆頭に京都産業大学在間敬子学長、大阪経済大学吉野忠男教授、CH代表佐々木研氏、近畿大学玉井由樹教授の5名に担当頂きました。
全てのプレゼンを聞き、協働力、新価値想像力、調査研究力、プレゼン力という4つの審査基準をもとに厳正かつ公平に審査頂きました。
評価で差をつけるのに苦労するほど拮抗した点数だったと聞きましたが、長時間にわたる審査に熱心に取り組んで頂いたことに厚くお礼申し上げます。

 

プレゼンの後に開催されたかちぞう交流会の時間に別室で行われた審査の結果、第11回かちぞうゼミのグランプリは、横山ゼミ×株式会社TRUST Relationによるタイトル「おばあちゃんの目分量レシピ絵」に決まりました。
横山ゼミチーム10人は、おばあちゃんの味を通して暖かな幸せの連鎖を生み出したいというパッションを実現するために、おばあちゃんの得意技ともいえる目分量での料理をユーチューブ動画で編集したり、おばあちゃんをモチーフにした動物が登場する絵本づくりにもチャレンジした活動を報告してくれました。
当日の報告も10名がスムーズにバトンタッチをしながら全員参加のプレゼンをしてくれました。
社会実装化までのマイルストーンが明確であり、協力企業との協働の濃さが評価された結果だと感じます。

準グランプリは、金ゼミ×株式会社明成高橋美術による「キャラクター×生成系AI:悩み相談型Chat」に決まりました。
自殺や引きこもりなどの深刻な社会課題に真正面から向き合い、協働先企業である明成高橋美術の強みを活かして若者の孤立と自殺リスクを減らす新しい相談インフラを構築するビジネスモデルを提案してくれました。
アニメキャラクターを介しながら自分の気持ちを打ち明けられるオープンな環境として相談型Chatを提案したことが評価されたと思います。
また出版社や共同研究開発機関、教育機関、ECサイトなどとの連携をビジネスモデルにまで落とし込んだことも評価されたと思います。

敢闘賞は、森口ゼミ×IKIGAI WORKS株式会社の協働による「日本人の熱意を解き放つ!IKIGAIイノベーション」が獲得しました。
ほとんどの大学生が就活に向き合うなかで直面するのは生きがいや働きがいというテーマですが、誰もがそれを自分事として捉えることに躊躇するのが現実です。
一方でエンゲージメントを持って働いている従業員は日本では5%という調査結果もあるなかで、どうすれば生きがいを言語化できるかを考え提案したのがハッピーターンチームでした。
IKIGAImandaraという手法をもとに自己発見を行ったり社会人セミナーを企画することで、参加者の心の変化や生きがいについての捉え方の変化を時系列で整理しています。
さらに日常的にIKIGAIが溢れる3つの方法を提案しています。学生にとってまだまだ遠い存在である生きがいや働きがいについて主体的かつ能動的に関わろうとする姿勢が感じられる報告でした。

受賞にはいたりませんが、横山ゼミ×株式会社コンピュータ技研が提案した旅記録アプリ「たびーる」は、既存アプリとの差別化ができるレベルに至る可能性もあり、アクティブなプレゼンとともに印象に残る報告でした。

柴野ゼミ×三嶋商事株式会社の「腎臓を守る食の力」は、透析治療という治療法が腎臓病に対する唯一の解決手段であるという常識を越えて、食事療法という選択肢もあることをPRするためにYOU TUBE Shortという動画を作成したという報告でした。
大学生にはさほど身近ではないテーマですが、地道に動画編集を続けた努力は評価できると思います。

柴野ゼミ×株式会社グランディーユは、最近注目されつつあるウィーガンスイーツに着目した報告でした。
若い世代の極端な偏食傾向を変えるためには、まずは間食としてヴィーガンスイーツを利用することからスタートするのも一つという報告はユニークでした。

京都産業大学森口ゼミ×えむすび株式会社の協働による100年後から「ありがとう」と言われる採用という報告は、学生や企業へのインタビュー調査を繰り返しながら、採用する側の企業と就職活動をする学生がそれぞれ何を大切にして相手側に何を求めているのかを言語化しようとした報告でした。

近畿大学金ゼミ×コクヨマーケティング株式会社は、近畿圏の7つの高齢者施設へのインタビューをもとに、コクヨブランドを活用した位置情報サービスと消耗品管理のシステム開発について報告してくれました。
近畿大学の学内に老人ホームの悩み事や困り事の相談に乗るお悩み相談室を設置するという構想は、大学と企業との連携の方向を示唆しています。

かちぞうゼミも10回目を越えてくると、様々な点での進化がみられます。
その一つは、最終報告会の司会進行や会場運営のほぼ全てを横山ゼミ生が担当してくれたことです。ひな&スズという男女ペアの軽快な司会、タイムキーパー、マイク係、受付など学生主導で会が運営されてきていることは特筆すべき点です。
また各チームのプレゼン力については、全員参加のプレゼンを意識しながら自分達の想いを会場の参加者に分かってもらおうとする姿勢が印象的でした。会場への問いかけを工夫したりパフォーマンスを意識したプレゼンもありました。
また報告後の質疑応答についても、学生の質問のレベルが格段にアップしていると感じます。回答に窮しているチームも多々見受けられました。
また印象的だったのは、商品化や事業化までを射程にビジネスモデルを構想するような社会実装志向の報告が増加している点です。

こういう動きとともに、かちぞうゼミに参加しているチームのまとまり具合に差が出ていることも感じました。
メンバー間での参加意識の平準化という古くて新しい課題についても今後検討する必要があります。
いずれにしても6月8日(日)のキックオフミーティングからスタートして、途中10月末の中間報告会を経て12月7日(日)の最終報告会までの半年間、産学連携で価値創造にチャレンジするPBL活動は、参加企業はもとより参加ゼミ生、そしてゼミ担当教員にとって大きなインパクトを与える活動であることを感じました。

(かちぞうゼミ会長 佐々木利廣)

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